痛みの治療の裏側
2014.5.5
読売新聞より
成長期に反りやひねりの動作を繰り返すと、
腰椎に負担がかかって疲労骨折を起こす
「腰椎分離症」になりやすい。
早く見つかれば3~6か月間、
コルセットで腰を固定し、
運動を控えることで治る。
ただ微小な骨折はエックス線検査でもわかりにくく、
適切な診断にたどり着けずに悪化させ、
慢性腰痛に苦しむケースもある。
高校サッカーに打ち込む東京の川田諒汰さん(16)は
2009年3月末、
ボールを蹴った瞬間、腰に激痛が走った。
地元の整形外科で「腰椎分離症の疑い」と
言われたが、CT(コンピューター断層撮影)
では異常が見当たらない。
医師の指示に従い、少し休んで復帰したが、
蹴るとやはり痛い。
困り果てていた時、父の聡さん(47)が
徳島大運動機能外科教授、西良浩一さんの
ホームページにたどり着いた。
初期症状でもMRI(磁気共鳴画像装置)を
使えば診断できると書いてあり、
すぐに西良さんに連絡を取った。
西良さんの助言でMRIを撮り、同年4月、
初期の腰椎分離症と確定。
全日本少年サッカー大会予選に出場できなくなり、
川田さんは泣いた。
5月から都内でも診察している西良さんを受診。
6月にいったん運動禁止が解けたが、
1週間で再発してしまった。
腰椎分離症患者の多くは体が柔軟でなく、
特に太もも裏側の筋肉が硬いという。
この影響で骨盤の回転動作が妨げられ、
代わりに腰椎を動かすために腰を痛めやすい。
川田さんもどちらかというと体が硬く、
西良さんは
「けが予防のため、肉体改造をして戻ろう」
と励ました。
1か月後の診察。
大きな変化があった。
立って前屈すると
指先が床に触れる程度だったのが、
手のひらが床にぴたりとついていたのだ。
母の環さん(47)がインターネットで目にした
“裏技ストレッチ”の効果だという。
しゃがんで足首を握り、胸部を太ももに寄せた状態で
膝を伸ばし、10秒間保持。
これを朝夕10回ずつ続けたところ改善が見られたのだ。
川田さんは柔軟な体をつくり、秋から本格復帰。
「つらかった分、プレーできる喜びは大きかった」。
現在まで再発はなく、的確なボールさばきを武器に
試合を組み立てる「ボランチ」を担う。
聡さんは「痛みを抱えたまま続けていたら、症状を悪化させて
サッカーをやめていたかもしれない」と振り返る。
西良さん、川田さんが行った柔軟法を「ジャックナイフストレッチ」と
命名し、治療で活用している。
習慣づけると、前屈は1か月で平均20cm伸びるという。
引用お終い
結局このドクターは何にもしてない。
患者さんの母親が見つけた治療法に
著効があった
そういうお話。
こういった
休めば治る的な治療を
ひとの人生の節目に平気で行い
かつ休んでも治らない
「処置」レベルの治療を
はたして治療というのか
甚だ疑問に思う。
先日
かつて大学病院オペ室勤務の
看護士さんが治療にみえた。
大学病院の裏側を
いろいろと知ってしまった。
多くの医療機関が
痛みの原因を
痛みがあるその奥の方の
骨や神経に限局してしまう
傾向が見られます。
もも裏の筋肉のストレッチで
腰痛が治ることは
当院でもよくあります。
もも裏と
腰は離れている。
でも
関連があり
つながりがある。
つまりそういった
身体のつながりに注目しないと
痛みの治療は完結しません。
このドクターは
今後このような症状の患者さんが見えた時
得意げに
「ジャックナイフストレッチ」を
勧めそうだが
それだけでは治らないということも
知っておかなければならない。
人ひとりひとりみな違いますからね。