【98】〖お昼のつぶやき〗開口障害に関与する筋群
2022.8.12
院長 みやもとです
〖お昼のつぶやき〗
主訴の如何に関わらず
「噛みしめクセ」
「歯ぎしり」など
顎周りのことを
お伺いすることがあります。
女性・子供でも
強い力の出る場所です。当然
コリもできやすく
身体に
様々な影響を及ぼしていると
考えます。
意識的に
または無意識に
顎に力の入る方が
多くいらっしゃいます。
言いますから
仕方ないですね。
・頭痛
(特にこめかみ~耳の上)
(顎のカクカク音
・顔面の重さ・耳鳴り
・背部の張り、痛み
・猫背
などなど・・・
の症状と関連が見られますね。
特に
咬筋
側頭筋
内側翼突筋
顎二腹筋
を狙います。
最近は
医療用グローブをして
口の中からも
マッサージしています。
口の中からゆるめやすい筋肉で
最もコリが生じやすいのは
ほお骨と下顎骨の角に付着し
あごを持ち上げ
歯をくいしばる働きをする咬筋と
あごを横にずらすときに
使われる外側翼突筋です。
咬筋は
上の歯と、ほおの裏側との間で
ほお骨に付着しています。
咬筋のコリは
この付着部位に多く発生します。
咬筋の付着部がコリやすいのは
咀嚼運動において
非常に負荷のかかる場所だからです。
咬筋のコリを放置し
働きが低下すると
咬筋とともに
あごを持ち上げている
内側翼突筋に負担がかかり
強いあごズレが生じ
そこから咀嚼筋全体の機能が乱れて
口の健康が損なわれるのです。
また
口の中のコリは
脳血流にも悪影響を及ぼします。
内外側翼突筋の奥には
翼突筋静脈叢といって
静脈が合流し、顎動脈の周囲を
網の目のように取り囲んでいる部位があります。
ここは、老廃物を含んだ
頭部の静脈血の一部を吸引し
血流を助けています。
この静脈網の働きを支えているのが
咀嚼運動です。
咀嚼筋の運動が
ポンプ作用となって脳から
血管内に血液を吸引し
流していくのです。
つまり
口の中の筋肉がこっていると
咀嚼筋の働きが低下し
静脈叢で血流が停滞しやすくなる。
その結果
頭部がうっ血し
脳神経を圧迫したり
全身の血流バランスが乱れたりするのです。
とりわけ
頭や首の不定愁訴には
口の中のコリが
関係している可能性が
高いと考えられます。
彼女は、音大を卒業されて
サックスのプロを目指している方です。
顎関節症
腰椎椎間板ヘルニアの治療で
今まで当院の治療を
受けて下さいました。
管楽器等の演奏を
長年されていると
顎関節症になってしまう方が
多いようです。
いつも
埼玉県の某市から
わざわざ
いらしてくれて
ありがたいことです。
彼女は
アンブシュアが
左右対称でなく
左の筋群に負担がかかっていました。
数年前から治療をさせて頂いておりますが
もうその問題はクリアされたようです。
アンブシュア( embouchure)は
楽器を吹くための
口の形およびその機能である。
より詳しく言えば
楽器を吹くときの演奏者の口
(または唇、舌、歯、顎、頬の筋肉)がある
特殊な機能を持たされた状態を指す。
すべての管楽器奏者にとって
アンブシュアを作ることがとりわけ大切なことである。
呼吸法と並び
アンブシュアは管楽器演奏が
身につけるべきとりわけ基本的な事柄である。
ピッチ(音高)、音色、音域の跳躍などを
コントロールするために
適切なアンブシュアを身に付けることは必須である。
皮膚上から
咬筋
側頭筋
内側翼突筋
顎二腹筋
のマッサージをしたうえで
グローブをして
口の中から
咬筋、内側翼突筋を
しっかりほぐしていきます。
ツーンとするところもありますが
直後にスッキリしたり
軽くなるのを
実感いただけます。
前回
初めて顎の
鍼治療を受けてくれた
彼女のリクエストで
今回も鍼治療です。
咬筋の
コリめがけて
鍼を打ちます。
顎周り
顔面の鍼治療は
内出血のリスクが伴います。
後から
出血斑が
出てくることもあります。
事前に
これらをお話ししておくこと
また
そうなった場合の
対処法もあわせてお話しします。
今まで私は
このような経験はありませんが
お年頃のお嬢さんですからね。
今回の撮影は
伊藤です。
重たいカメラを
使いこなして
いい写真が撮れたね。
ありがとう
(^O^)/
「アンブシュア」という言葉は
これらの業界の方から教わったことです。
臨床家を名乗るのであれば
患者さんがいろいろなことを
教えて下さるということに
感謝を忘れないことが大事ですね。