バレエダンサーの方へ

当院には
クラシックバレエを楽しまれている
患者さんが多くいらっしゃいます。
プロのダンサーの方。
指導者の方。
幅広い年齢層の生徒さん。
クラシックバレエ2
当初
これらの患者さんの
治療に不安がありました。
自分の経験したことのない
動きをされているので
治療家としてのコメントに
説得力が欠けるのです。 

とくに
クラシックバレエの動きは
股関節を
ターンアウト・外旋(ガニ股)しています。

ballet plie2

つまり
通常使う状態と比べると
90度ずれているわけです。

このことが理解できていないと
下肢の痛みなどの問題を
治療することが困難になります。

ですから
今まで治療に来て下さった
地元の指導者の先生方の
体験レッスンに参加させていただき
分からないなりにも
クラシックバレエとは
こんな動きをしているということは
体験してみました。

脚に意識が行くと

骨盤の意識が遠のき

骨盤に意識が行くと
手の意識が遠のき

全身に意識を巡らせながら
手足の指先まで
動かしていくと
ほんとヘトヘトになります。

「動かして」とはいっても
傍から見たら
全然動けていないんでしょうけど。。。

ballet  Bar lesson

今までテケテケながらも
多くの患者さんに
通っていただけたおかげで
最近は
少しは気の利いた治療・コメントが
出来るようになったかもしれません。

「これじゃあ、アラベスクしずらいでしょ?」

「グランプリエしてみて。」

「大腿直筋が張ってるね。」

ballet  Bar lesson3

誰でも
最初からベテランではありません。

仮に先生であっても
誰しも最初から
何でも治せる訳ではありません。

先生稼業は
分かっている
治せることを前提に
まず治療がスタートします。


残念ながら
経験したことないことは
分からないのです。

であれば
やはり
患者さんと同じ痛みを
同じ気持ちを
経験しないことには
痛くて、しんどくて
心底辛いということは分からない。

具合の悪くなったことの無い方は
具合の悪い方の
辛い、沈んだ気持ちは
到底理解できないものです。

もっとも
気持ちなど分からなくとも
治すことくらい出来る。
そうおっしゃる医療関係者の方もいるでしょう。

では
自分が経験したことがある
ケガや痛み
または自分が経験したことがある
スポーツの患者さんが来た時
とても親近感がわきませんか?

わたしはわきます。

出来るだけ多くの患者さんの前で
このような気持ちでいたいと思うのですが
どうでしょうか?

分からないことを
知らないことを
そのままにしないことです。

であれば
自ら体験、経験するしかありません。

まだわたしは
30代です。

今のうちに多くの経験・体験をしたいと思っています。

バレエで
身体を痛めることは
経験できませんでしたが
直接スタジオに足を運ばせて頂いて
バレエを楽しんでいる方々の
「喜び」や「輝き」を
少し理解できたような気がします。

患者さんの
痛みだけでなく
心の内側にも
少しは気を配れたら
そう思います。

ballet plie3

先日は
地元の接骨院での治療が
イマイチとおっしゃる
クラシックバレエをされている患者さんが
市川市から
ホームページを見てくださって
いらっしゃいました。

発表会までに
脚の状態を良くして欲しい
というオーダーです。

完全に治ったわけではないですが
何とか
動けるように
連日工夫して治療しています。

これで最後の発表会。

どうか今までで
一番輝いて欲しいです。

Ballet dancer doing an arabesque